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2013年2月

2013年2月 9日 (土)

取調べの「全過程」を記録化するが、「直接証拠化」せず、検証の際の材料とすること /郷原信郎弁護士

大阪地検不祥事からの信頼回復のために設置された「検察の在り方検討会議」でも、検察の取調べの可視化の在り方が中心的議題となったが、そこで、私は、取調べの「全過程」を記録化するが、「直接証拠化」せず、検証の際の材料とすること、すなわち、取調べの記録は、弁護側から取調べの状況に関して問題が指摘された際に、実際の取調べの状況を確認するためだけに用いることを提案した。しかし、会議では、「直接証拠化」の是非はほとんど争点とはならなかった。取調べに関して問題となったのは、供述調書が、検察官のストーリーの押し付け、威迫、利益誘導等の不当な取調べによって作成されたことであり、まず必要なことは、そのような不当な取調べが行われないようにすることだ。最大の問題は、不当な取調べが行われても、捜査機関側が否定すると、その事実を公判で立証することが困難だったことである。そのような不当な取調べを防止するためには、取調べの全過程を録音し、供述調書の信用性に関して取調べ状況が公判で問題とされた時に、録音記録で確認できるようにしておくことが有効だ(陸山会事件の虚偽捜査報告書作成問題において、隠し録音をしていたことで取調べの問題が判明したことからも、録音だけでも十分に有効なことは明らかだ。)。この方法であれば、「供述調書による立証」を基本的に維持しつつ、不当な取調べを抑止することが可能だ。録音・録画を直接証拠として使わなければ、「証人保護プログラム」が必要となる事態も避けられる。

引用:映画「ファイヤー・ウィズ・ファイヤー」と「供述調書中心主義」 | 郷原信郎が斬る

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